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木造防音室は素材のコインシデンス・遮音特性が重要

ある情報掲示板で、木造住宅の1階に低予算でDIY+防音工事で音楽防音室を計画している人が居てアドバイスを求めていました。

 

たまたま、私の古いアカウントが生きており、参考意見を述べたのですが、なにやら自称専門家を名乗る人が、遮音性能の計算式を引っ張り出し、石膏ボードや鉛の遮音パネル、グラスウールによる対策を長文で述べており、そちらを参考にされたようでした。

*低予算と言いながら、このような仕様で分厚い防音構造の工事を業者に依頼したら、それなりの費用が掛かります。

 

私は費用対効果と薄い構造をメインにアドバイスしたのですが、あまり興味がなかったみたいです。

 

一方、すでに私の担当現場では実例として薄い防音壁などにより、音漏れが1/3程度に軽減され、依頼者からは結構驚かれました。というのは、他の専門業者が提示した提案がまさに上記の様な内容で、工事費用(見積り)もかなり超過したので、私の提案を採用されたのです。

 

私の設計・施工の総額は他の業者よりも3割以上安くなり、依頼者のご予算に収まったのでした。ご希望の防音効果もクリアでき、ピアノも2台配置できるように薄い構造で設計しました。

 

この設計仕様の基本は、素材の持つコインシデンスや周波数別の遮音特性などを考慮して、複数の素材を併用する相乗効果を出すものです。音響にも配慮した表層材仕上げも施工しています。

木造であれば可能な提案だったのです。

 

専門的な内容が理解できない人には、どんなアドバイスも役には立たないという典型例でした。少しでも理解しようと勉強される相談者であれば、きっと役に立ったはずです。

 

ちなみに、質量則と空気層だけを考慮した計算式では、想定通りの遮音性能は発揮できない場合があり、音響も悪くなる場合があります。定在波も使用する素材によって変化するので、一律に計算式だけでは調整できません。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 09:01
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木造住宅の壁防音

最近、新築したばかりの木造住宅の壁防音の相談が増えています。

 

相談案件の共通点は、外壁内部の断熱材が硬質発泡材であること、内装ボードが石膏ボード1枚しか施工されていないことです。

*外壁材はサイディング、ガルバリウム鋼板、ALCです。

いずれも、音を反射するだけの外壁材を使用しており、この点でも音が響きやすく吸収しない特性が、防音効果にマイナスになっているようです。

*硬質発泡材は吸音性がほとんどないので、これもマイナスになります。

 

しかし、新築したばかりの施主は、基本的にリフォームをする予算がほとんどなく、優先的に施工する部分をしぼりながら、DIYで対応できる方法はないかとネット上を検索されている。

 

防音工事をするにしても、もう2回目の失敗は許されないわけですから、慎重に検討する必要があります。

私の提案は、基本的に低い周波数から高い周波数まで可聴域の音を大幅に減らす工法です。

・環境省の低周波音対策マニュアル、音響学会リポート、担当した木造防音室の測定結果などを勘案して厚さ10ミリの遮音層を構築

・遮音材は高比重+柔軟性のある素材を適用

・周波数特性の異なる2種類の遮音材+2種類のボードを併用する

 

これによって、振動を伴う騒音についても壁を透過する音を減らせます。

 

昨年だけでも、私の施工チームが担当した木造住宅(戸建、賃貸併用)の生活防音工事は5件あります。すべて成功しています。

それと私が提案したDIY施工の地方案件も、うまくいったようです。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 09:01
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大型グランドピアノ2台のピアノ教室(音響・防音)

木造の戸建住宅2階に、大型のピアノ2台(ヤマハC5、スタインウェイ)を入れ、来年の2月頃を目途にピアノ教室を開く予定のピアニストから依頼を受けました。

 

すでに部屋には床の防音パネルや防音ドアが、新築業者によって施工されているのですが、防音効果がほとんど体感できないという状況です。

そこでピアノ教室としてリフォームすることで音響はもちろん、防音効果として少なくても音漏れを半減させたいというリクエストです。

しかし、壁の厚さをほとんど取れない、天井高をほとんど低くできないという大きな制約があります。

その中で私が出した答えは、防音ドアの周りは壁を一部解体して造り直し、防音ドア周りは上り框で区切り、大半の床をまず構造的な補強をして防音材とカーペットを施工するという薄型で費用対効果の高い提案でした。

 

提案を気に入っていただいたため、すぐに年内着工したいというご要望のため、今月下旬から着手する予定になりました。

 

スタインウェイはプロのピアニストが普通に演奏すれば500Hzで約110〜120dBの音が出る名器です。ヤマハのC5も大音量です。これらを生徒と先生が同時に演奏すれば、もう演奏会状態です(笑)。

 

とにかく、薄くても出来る事は全て対策するという方針で着工します。内装を解体する中で補修すべき箇所も出てくるでしょう。臨機応変に対応するだけです。

 

今回のテーマは薄い防音構造で「固体伝播音を抑え良好な音響を確保する」ことです。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 09:12
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木造のピアノ防音室(リフォーム型案件)

12月1日に千葉県方面の現場において、リフォーム型の木造ピアノ防音室に着工します。

特徴は小規模な部屋ながら窓の面積が大きく、部屋の間口が狭いため、とても反響しやすい状況です。

 

このため、床と壁の剛性補強と制振対策を強化し、壁面と床面を柔らかい素材で仕上げ、天井は吸音化粧板で薄型の防音施工でも必要な遮音性能を確保できるように計画しました。

 

床は無垢の杉板フローリングを採用し、合板と遮音制振材で共振を抑え込み、適度な落ち着いたグランドピアノの音色が出るように調整します。

*同時にDIYによる吸音調整板も用意して、施工完了後の音出しチェックによって、家具配置と合わせて必要量を調整します。

 

また、新設壁を構築して防音ドアも設置します。

 

出来る限り木材を活用し、石膏ボードは隣接の部屋側の内装に限定して使用し、音響を重視した仕上げにします。

 

狭い部屋であっても、木造住宅などの建物は在来工法であれば、工夫次第で良好な音響と遮音性能を確保できます。

*チューニングなどの様子は、別途ご報告する予定です。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 16:41
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木造の楽器防音室の床補強は重要

ある新築防音室において、新築業者(埼玉の新興業者)が私の床下補強指示を軽視し、楽器による床衝撃音が共振し防音効果が低下しました。

施主も新築業者に強く言わず黙認したので、私の要望が通りませんでした。苦い経験でした。

 

一方、私の床補強の提案を重視した音楽家などの施主は、徹底して施工業者に私の仕様を遵守するように強く言っていただいたので、想定どおりの防音室の性能を確保できました。

 

施主のご家族のピアニストや奥様は音響の良さに、とても満足され高い評価をいただけました。あらためて床補強の重要性を体感したのです。

 

これはチェロのような床に強い振動音を伝える楽器も同様で、オーディオ室においても重要な対策です。

*オーディオもスピーカーからの振動音が床に伝わります。シアタールームも同じことです。

床下補強は、木造の防音室には欠かすことのできない仕様と言っても過言ではないと思います。

 

音響・防音設計担当者の提案を軽視する施主や新築業者はリスクが大きくなります。私の提案を変更する場合は、自己責任で施工していただきたいと思います。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 09:11
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