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住宅など木造建物の防音設計
先日、相談者に次のような質問をいただきました。類似したご質問に対して回答した内容を補足して再掲いたします。

■ご質問:「建築士が設計した木造家屋において、音が筒抜けになることは、通常あり得ることなのでしょうか。」

■回答(防音職人ウェブマスター)
注文住宅を設計する建築士は一般的に、ハウスメーカーよりも生活防音の知識がなく、施主からの特段の仕様的な要望がなければ、音が筒抜けになることは珍しいことではありません。
これは大学の建築教育において、防音設計・音響設計のカリキュラムがほとんどないこと、教員に詳しい知識がないためです。
社会に出ても、木造建築の防音設計に詳しい会社が少ないので、今回の様な木造家屋が建築されるということになります。

そもそも、建築士には音響・防音設計という意味も理解されないことが多く、具体的な設計・工法の提案などできません。
大手建材メーカーの遮音パネルなど既製品を貼り付けるだけの簡易的な対策しかできません。

木造建物の防音設計は、実績と具体的方法論の知見をもった専門業者に依頼すべきであり、マンションの生活防音と同様な問題を抱えています。

書籍など資料も市販されているものは、内容が古く、近年の防音材の状況などを反映して補正されていません。実際の現場経験を生かし、音響・音測定を実施するなど分析を加えて、初めて補正できるものです。
また、情報が分散しており、設計マニュアルが集約されているウェブサイト、専門書そのものが、私の知る限り存在しないようです。
 
author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 08:08
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別荘地のオーディオ防音室(住宅)
静岡県内の木造戸建住宅を改造(リフォーム)して、和室と物入れ、縁側(廊下)を1つのオーディオルームにするというご相談です。今回の依頼者は、木造住宅の防音室やリフォームに詳しい専門家を探されたそうです。

その中でも木造家屋・住宅のピアノ・音楽教室や防音室の設計・施工だけでなく、コンサルティングをやれるということが条件でした。そこで、私の防音職人のウェブサイトを検討した結果、ご自身のご希望に近い事例や方法論が記載されていたので、それが決め手になったと言われました。

昨日、むさくるしい私の仕事場において、打合せの中で正式なご予約をいただき、近日中に契約書案を作り、契約を交わすという方向でまとまりそうです。
その前に遠方ですから、地元の大工職人と相談されてから、話を具体的に進めることになりました。

この別荘地は隣家と5メートル程度離れているのですが、とにかく昼間も静かで暗騒音が非常に小さいそうです。このため、通常の防音室レベルの遮音性能に加えて、十分な音響効果を得られる構造にリフォームしたいということでした。

地元の大工職人が確実に施工できる防音設計を検討する必要があり、デザイン的なご希望も考慮したうえで、防音構造を構築したり、構造的な補強を無理なく施すことが課題です。
概ねのご予算もご提示していただきましたので、たぶん成立すると思います。
グランドピアノ並みの音が出る大型スピーカーを床に設置するので、壁と床の共振を抑えつつ、適度な音響と十分な遮音性能を発揮できるようにバランスよく構成し、余り部屋を狭くしない工夫が必要です。

一番難しいのは小屋組みを現し仕上げにする天井面の対策です。地震など耐久性も考慮すると、屋根や下地に大きな荷重を長期間かけられないので、壁に比べて軽量な施工仕様が求められます。
author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 07:37
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木造の2世帯住宅の壁防音施工
先月、都内の2世帯住宅(木造)の界壁の防音工事が完了し、その後しばらく様子を観察していただき、つい先日、防音効果の詳しいご報告がありました。
当初は壁の遮音性能を高めるため、人の声やテレビ・オーディオの遮音を主な目的として設計・工事したわけですが、人の声など空気音はほとんど完璧に近いくらい遮断されたようです。同時に足音などの振動騒音も格段に小さくなり、予想以上の効果がありご満足いただけたとのことです。

子供がさわいだり、走る騒音もかなり防音され、非常に費用対効果の高い結果となり安心しました。
今回は、壁に2種類の遮音材(制振効果の高い製品)と吸音材、補強用の合板および仕上げのPBを使用しました。既存の壁よりも、わずか23〜25ミリほど厚くなっただけで、従前と見た目はほとんど変わりません。
*つなぎ目、隙間処理も丁寧に行い、生活防音としては十分配慮しました。

新しい遮音材を1つ追加して防音工事を行いましたが、その効果は十分なものでした。木造住宅の防音としては、現在の取扱い製品はベストなものと言えると思います。
*壁に関しては、防音設計・工法はほぼ確立されたと言っても過言ではないと思います。
author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 08:00
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木造は高気密・高断熱でも遮音性は低い

 最近の木造住宅(主に戸建)は、高気密・高断熱仕様ということで、外壁などの断熱材がフォーム状の発泡材を外壁内部に充てんするものが増えてきました。

 これは従来型のグラスウールのマットを壁内に入れていく工法より楽に高断熱の性能が得られるということで多用されていますが、弱点は吸音性に乏しく、壁の内部が空洞になっている場合と同様に、音が共振するなど、総合的に遮音性が低下することです。

 通常の在来工法の木造住宅はD-25〜D-30程度の遮音性能を持っていますが、上記のような工法ではD-20程度の防音性能しかないケースがあります。
 結果として、子供の声やテレビの音まで近所に漏れるという、主に高音域の周波数帯での音漏れが目立つことが多いようです。

 防音職人の相談でも比較的多い事例です。このような状況では、石膏ボードを重ねるだけの簡易的な対策では、あまり遮音性能は向上しません。

 特性の異なるボードや遮音材を気密工法で重ねたり、壁をふかして吸音層を設けるような構造に壁を改造する必要があります。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 15:54
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木造の通気と内装の防音構造
  外装の通気構造と内装を混同して、内装壁に通気や湿気を透過してしまうリフォームを提案するリフォーム業者がいますが、防音対策にはなりませんし、結露対策上も問題があります。

 それは内部での炊事などで湿気や熱が壁に当たり、内装ボード面などで結露したり、内部の断熱材や軸組み木材などをを劣化させてしまうからです。

 外装の通気層は内部の断熱材や木材の湿気がたまるのを防ぐものであり、内装壁まで透過させるものではありません。内装壁に防湿層があります。
*防音対策の場合は、通気層を遮断するのではなく、内装のボード面において、遮音対策を施工するものです。

 ですから、内装壁での仕様は音と湿気を遮断する、または吸音する目的で内装部において防音構造を構築します。
*建物の負担を軽減するため、遮音材は過重量にならないように施工します。

 木造家屋の防音対策やリフォームに疑問を感じたら、防音職人にご相談ください。
author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 16:41
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木造住宅の床・天井の防音の基本

 最近、木造住宅などの木造建築が得意な建築士、工務店から防音設計のコンサルティング(有料サポート)業務を単発的にお受けすることがあります。

 直接お会いして、図面を拝見しながら、その場でラフスケッチで防音対策を説明します。

 ここでは、基本的な重要項目をポイントとしてあげておきますので、ご参考になさってください。

◇床剛性の強化
 足音などの振動軽減を図るため、床下地や軸組みの剛性を高めます。

◇床材下の制振
 フローリングなどの下地に制振材を挟み込み、音源で振動音などを減らします。

◇天井裏の吸音
 階下の天井裏で共振・拡散する騒音を吸収するため吸音材を充てんします。

◇野縁受け・野縁の制振
 軸組み木材に制振パッキンを入れ、振動伝播を軽減します。

以上が対策のポイントですが、さらに御予算が許せば、天井の表層材にも制振材を使用すると、防音効果がアップします。

 理想としては、全部のポイントを実行することですが、予算や構造上の制約もあるので、建物用途や要求される遮音レベルに応じて、施工内容をしぼることもあります。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 12:50
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木造住宅の簡易防音でD45を実現

 防音職人では、普通の木造戸建住宅のリフォームで、外壁の遮音性能についてD-45(500Hzにおける遮音性能45dB)を、防音材を重ねる簡易工法で実現しました。

 これで、戸外からの大きな車騒音、犬や人の大声も遮断できます。グランドピアノを夜8時頃まででしたら、問題なく弾ける防音室として機能します。

 この簡易防音工法は、既存ボード面に防音材を重ねる工法のため、壁が余り厚くなりませんので、狭い部屋にも適用できます。

 同時に、気密性の高い内窓(YKKなど)を取り付ければ、ドア以外の部屋全体の壁面が概ねD-45の遮音性能を確保できます。

 6〜7帖程度の部屋でしたら、クロス仕上げ、内窓取り付けを含めて、5・6日間で工事が完了します。(建具改造がある場合は別途加算します)

 とにかく、コンパクトな仕様で、費用対効果は抜群だと思います。

 御相談は、防音職人の問合せページより、承ります。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 14:05
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戸建住宅の防音

 戸建など住宅の防音の前提として重要なものは、建具や部屋の広さ、構造的な補強の制約だと思います。

 重い遮音材にシフトした対策は、防音効果が余り向上しないだけでなく、構造的な限界があります。

 防音職人では、結露、室内の補強を考慮した、比較的薄い構造を提案します。

 どんなに立派な防音工事をしても、部屋が必要以上に狭くなったり、壁内結露が発生して建物の寿命を縮めてしまったのでは問題です。

 また、部屋の用途・目標レベルを設定して、費用対効果の高い提案が、住宅の防音には不可欠です。

 力任せの防音設計は、特に木造家屋には不向きであり、建物の構造に適した工法提案が必要だと思います。


 最近、予算の制約が厳しい件や、老朽化した物件の相談もあり、音の問題以前に、床や壁の下地補強が必要な現場も少なくありません。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 07:00
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木造住宅・マンションなどの防音記事・リンク

 防音職人が運営するウェブサイト・ブログの記事・リンクに、テーマ別に出来る限りアクセスできるように、総合ページを「防音通信(総合編)」として作りました。
防音通信(木造・戸建・マンション、ピアノなど楽器室、防音材)

 これによって、分散している記事やコンテンツページをテーマ・騒音タイプ別に閲覧できるように配慮しました。

 防音相談・工事依頼者などの声もリンクしました。


 まだまだ、工夫の余地はありますが、どうぞご利用ください。

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 14:50
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住まいの防音に取り組む動機
 先日、防音相談で、相談者に「ウェブサイトには、住宅の防音を主として採り上げている業者が少ないのですが、防音職人は、どうして住宅を中心に取り組んでいるのですか。」
と、話の途中で聞かれました。

 じつは、独立開業当初も、昨年も同様なことを質問されました。おそらく、私のプロフィール・サイトが未だ出来ていないので、動機が見えないのでしょう。

 このことは、防音の考え方として、重要な問いです。同時に、住宅の防音の難しさや業界の経営上の問題も関係しています。

 以下の文章は、現在、改造中の情報サイトの序文に使用する文章ですので、検索にダブって、ヒットしないように画像にしました。

 基本的に、楽器の防音室を主力にしている業者が多く、住宅の防音を主力業務にしている業者は少ないです。
 企業にとっては利益率が低いことも要因の一つでしょう。

 私の場合は、マンション騒音の被害者であること、建築業界が余りにも音の問題に無知であることが、主な動機でした。
*私が防音設計に取り組み始めたのは、平成7年からです。


住宅の防音に取り組む動機


author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 11:21
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