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木造のピアノ室簡易防音(アップライトピアノ)
数か月前、ご提案した木造ピアノ室(アップライトピアノ)の防音対策の効果について、昨日ご報告がありました。
ご予算が住宅購入とピアノ移動経費などによって厳しいため、通常の防音工事を見送り、DIY+内窓対策のみで実施したものです。

内容は、床に遮音ゴムマットとタイルカーペットを敷き、窓は内窓を取り付け、壁の対策は手作りで吸音パネルを3つ立てかけるというものでした。
*DIY吸音パネルは市販の穴あき合板に吸音ウールを接着して、依頼者自らが作業されました。
ピアノの配置は、近所の隣家との関係、ご自宅の間取りを考慮して決めていただきました。
以下、依頼者からのご報告の抜粋です。
 

「ご報告遅くなりましたが、あれから窓を二重サッシにし、防音ゴムマット、吸音パネルを設置したところ、効果バッチリでした。全く音が漏れない訳ではないのですが、外に出ても殆ど気にならない程度でした。
色々ありがとうございました。」

このような対策でも、効果的な吸音材や遮音材を適正に活用すれば、木造住宅でも十分な防音効果が出せることが実証されたわけです。手作りの吸音パネルは厚さ約55ミリであり、廉価で作れます。高い防音製品なんか必要ありません。
*コンサルティング料金+防音材実費+接着剤・ハサミ購入、これが今回の費用でした。
 

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 08:45
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新築業者が失敗したピアノ防音室をリフォーム
 新築の施工業者が失敗した木造のピアノ防音室の相談を昨年、お受けしてからスケジュール、費用対効果などを検討しました。この現場の防音工事が今月完了し、依頼者から音響や防音効果について、詳しいご報告とお礼の言葉がありました。
*最初、新築業者が施工した防音室は音漏れが酷いだけでなく、反響音が強すぎて音響的にも悪い状況でした。

 新築業者の失敗のあと、依頼者は新築の際に予算を使い果たし、再工事する費用がほとんどないため、私の防音相談に最後の望みをかけて国立までお出でになりました。いろいろと検討した結果、出した結論は、自宅の内部には音漏れするのは仕方ないが、戸外に漏れる音は半分以下にしたい、同時に音響を改善することを重視したいという方針でした。
*コストを抑えるため、外壁に簡易的な防音施工を約30ミリ程度行い、天井面を補強して音響化粧版を仕上げるという仕様を決めました。

 私の防音設計と専属施工チームの工事が完了した結果、音漏れは半分から1/3程度になり、過度な反響も抑えられ、ちょうど良い感じの響きになったそうです。費用対効果はすごく良いという評価をいただきました。
*費用の総額は、ほかの専門業者が提示した見積金額の半分以下でした。
*私の経費を半分程度に削りました。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:08
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ピアノ防音室の簡易施工の留意点

 ネット上の自称防音専門業者の工法で最も多いのが、鉛ボードと遮音シートの簡易工事です。

 ある相談者の木造防音室において、専門業者が鉛のシートとPB(石膏ボード)を張り合わせた遮音パネルを、既存の壁に重ねた簡易防音工事を実施しました。
 その結果、音漏れが酷い割には、音が共振して、ピアノの音環境が悪くなり、施工した業者にやり直しを依頼したら、逃げられたというものでした。

 遮音パネルのつなぎ目から音漏れがするだけでなく、鉛は音を反射するだけですから、つなぎ目が弱点となり、主として高い周波数の音漏れが酷くなり、共振と過度の反響によってピアノ室としては悪いコンディションになったと思われます。

 簡易防音施工であっても、楽器の防音室には鉛の遮音パネルは使用しないほうが無難です。

 また、遮音シートとPBの重ね施工という、簡易防音工事では、別の相談者から、施工した業者と調停でもめているので、対策案を提示してほしいという依頼がありました。
 これは単純に遮音シートの使い方が間違っているのと、遮音シートそのものの能力不足です。最も多い事例です。

 遮音シートも、鉛ボードも、石膏ボードや合板の上に重ねて施工しても防音効果は低く、音環境を改善することはできません。
 では、これらの製品は木造では使い道がないのかということですが、ちゃんとあります。

 防音ドア製作に使えます。遮音シート、鉛シートは制振性が低いので、とくに石膏ボードや9ミリ以上の合板に面的に重ねては効果が出ないのです。
 フラッシュ建具のように木材の軸組みの内部に吸音材を充填して、その上に隙間なく、遮音シートや鉛のシートを直接軸組みに張り付けるのです。

 これで製品の面密度に応じた遮音性と吸音材の組み合わせで、質量則を超えた防音性能が出ます。ただし、これらの製品は壁のような大きな区画には不向きな素材です。
 できれば、防音ドアや小さい面積の壁に限定的に使ったほうが良いと思います。

以上が、基本的な留意点ですが、ここでは詳細は省略します。とにかく、木造に適した防音材の選定、製品に適した工法など留意が必要です。

 ちなみに、遮音パネルや遮音シートをボードの上に直接重ねるだけの、簡易的な防音工事を行う業者は、防音設計や防音工事は素人です。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 18:45
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木造楽器防音室の簡易工事
 10月より新しい防音材を使用するようになり、薄型の防音工事が比較的楽に施工できるようになりました。

 既存の幅木を外して、既存ボード面に直接、遮音マット、制振マットおよび合板を張り付け、防音材のつなぎ目を気密シールして施工します。

 厚さは、クロスとパテを含めて約17ミリという薄さです。これで、15〜18dBほど遮音性能をアップできますので、既存の壁の性能がD-25あれば、防音工事後にはD-40〜43の遮音性能になります。

 ある大手の防音メーカーの仕様は、D-45にするために約180ミリの防音壁を構築しますので、これに比べて費用対効果は非常に高いだけでなく、狭い部屋にも適用できるので、とても自由度が高いと言えるでしょう。

 予算や空間的な制約でお困りの方、「防音職人」のウェブサイトから、お気軽にお問い合わせください。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 12:23
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ピアノなど楽器防音室仕様の制振材

当ブログやホームサイト(防音職人)のコンテンツにおいて、木造の防音室には、床と壁の共振を抑える「制振材」が重要であることを述べています。

ところが、防音材メーカーは、大半の防音材を値上げする一方で、重低音など振動音を抑える「遮音・制振材」の生産を減らしたり、軽量音対策を主眼とする製品のマイナーチェンジを進めています。

*製品名が変わっていなくとも、性能や価格が変更されています。

*たぶん、原材料の高騰や諸経費の値上げなどを勘案して、対策がしやすい軽量音向きの製品にシフトしてきていると見られます。

制振材は重いだけでは、性能を発揮できません。柔軟性や適度な粘りなど素材の特性にポイントがあります。

*事実、フェルトやウレタンマットは軽量ですが、振動を絶縁する効果があります。

しかし、楽器の防音室では、グランドピアノやチェロなどの重低音を抑える、面密度の大きな制振材も併用する必要があります。


単一の防音材だけでは、対応できない周波数帯の音があるのです。そこで、防音職人では新しい制振材を設計仕様に加えました。比較的廉価で、諸経費の値上げ分を吸収できるような価格で取引を開始しました。

これで、2014年4月からの消費税率アップによる経費値上げ分をできる限り吸収できるように資材仕入れを工夫しています。

*同時に防音設計仕様も少し変更しました。

木造のピアノなど楽器防音室ほど、設計や防音資材の内容によって、遮音性能に差が生じる建物はないと思います。

*それは木造家屋は、構造的に、過重量な防音材を使いにくいという面があるだけでなく、木造と相性の悪い遮音材は費用対効果が低いからです。

*費用対効果もシビアに検討する中で、あまり分厚い構造の対策はできません。

新築、リフォームに限らず、木造家屋の対策は、制振・遮音材の性能が重要なカギを握っています。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 11:06
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手作りの防音施工と遮音パネル工法
ピアノなど楽器の防音室の施工で重要なのがボードや遮音材の隙間対策です。

遮音パネル・ボードの弱点は、つなぎ目の隙間やジョイント部分です。それは遮音材のつなぎ目とボードのつなぎ目の重なりが一致しているため、遮音欠損となり、主に高い周波数の音が漏れやすくなります。
*遮音パネルのみの単独施工の限界です。

防音職人では、遮音材、吸音材、制振材の隙間や、つなぎ目が重ならないように配慮して、現場の状況に応じて手作りで施工します。このため、ほとんどの現場で想定通りの遮音性能が確保できます。

特に、木造家屋は、もともとが隙間のある通気性のある構造ですから、内装部分は隙間対策が重要です。

また、遮音パネルはボードと遮音材が接着された製品ですから、細かい納まりの調整や、厚さが微妙に変化する凹凸部の施工には適さないのです。木造の防音室の場合は、柔軟に対応できる手作りの防音工事が望まれます。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 09:10
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ピアノ室の防音壁の仕様

 都内のある木造ピアノ防音室が今月中には完成します。
*具体的な防音効果は、依頼者の許可を得てから、ご紹介します。

 この現場は、依頼者が自ら契約した建築士より紹介されたもので、ある事情により、この建築士は名古屋方面に転勤となり、別会社が引き継ぎました。

 当初、ある大手メーカーが提案したD-45レベルの防音壁は18センチありました。私が提案したD-50レベルの防音壁は約80ミリ〜85ミリです。
 その結果、私の提案が採用され、防音設計と現場チェックを担当しました。
*施工は引き継いだ建築会社が担当しました。

 なぜ、このような仕様の差が出たのか、建築士も依頼者も不思議に思い、私に何回も国立で質問されました。主なポイントをまとめると、以下のようになります。
・吸音材の種類、密度が違うものを提案した。
・石膏ボードの重ね施工は採用せず、合板を活用した。
 ※石膏ボードと市販の遮音シート・パネルの弱点を説明した。
・主力の遮音材が薄くて、面密度が大きく、柔軟性と制振性に富んだ素材だった。
・壁と床の共振による遮音低下を回避するための制振材・仕様を提案した。

上記の仕様は、今までの木造防音室に適用してきた設計仕様をベースに提案したオリジナルです。
経験と素材の分析、木材の活用にこだわってきた結果です。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 08:16
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周波数帯別の音漏れと対策

 ピアノなど楽器の防音室の相談で言われる問題点に、高い音が漏れるとか、低い音がほとんど遮音できないという特徴があります。

 たとえば新築の木造住宅やリフォームですが、高い周波数の音漏れがひどい場合は、大半がボードなど遮音材の隙間対策の不備や、石膏ボードと遮音シートの重ね施工のみの対策になっています。
*隙間のコーキング・シールの不備は高い周波数の音漏れを招きます。
*石膏ボードのみの重ね施工は、低い音域、高い音域で遮音性能が伸びず、鉛などの遮音パネルも同様な傾向があります。

 硬質の剛性の高い素材を重ねても弱点の傾向が変わらないためです。このような場合は、重ねる素材の特性を変えるとともに、吸音率の高い吸音材を併用することが効果的です。
 また、下地の軸組みのピッチを狭くしたり、制振補強をしながら、空洞部に吸音材を充てんすると、低音域の遮音性能が伸びます。

 防音設計上の工夫で、防音効果が伸びるのです。
*遮音、制振、吸音の機能を組合わせることが設計のポイントです。

 さらに手間を惜しまない職人の施工が遮音性能アップにつながります。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:48
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木造のピアノ防音室は軽量な対策でも十分
木造家屋であっても、木材の特性を生かしながら工夫すれば、比較的軽量な防音構造でも、ピアノの夜間演奏は可能です。
ピアノ防音室(木造の事例)

 それは、下地の補強や木材・石膏ボードなど使いなれた材料と相性のよい防音材(遮音・吸音・制振)を組み合わせることがポイントです。

 先日、地方の木造住宅に併設された楽器の防音室(グランドピアノ、ヴァイオリン)の相談がありました。
 担当した建築士に夜間でもピアノやヴァイオリンが演奏できるように厳重な設計を要望したにも関わらず、遮音パネルと遮音シート、石膏ボードの重ね施工、グラスウールの併用のみで作られた結果、非常に気になる音漏れが生じているそうです。

 これは質量則のみで設計され、しかも吸音材は低密度なグラスウールだけしか使っていないものでした。
 おそらく、遮音パネル(鉛・遮音シートなど)と石膏ボードの遮音特性が類似し、かつ、つなぎ目から遮音欠損が大きく、高い周波数の音がかなり漏れ、しかも低音の振動音も共振しているような状況が発生しているようです。

 材料の相乗効果が不十分、つなぎ目の処理が甘い、吸音材の選択ミス、制振材を使っていないことなどが重なり、予想以上に防音効果が出なかったのだと思われます。
 また、壁と床の共振を抑える工夫がされていないことも要因としてあると思います。
*現在、できるかぎり薄い構造で、比較的ローコストな対策を検討中です。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 17:05
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防音室には向かない工法がある

 最近、石膏ボードを柔軟性接着剤で張り合わせて防音対策を行う工法について、相談を受けました。また、壁の仕上げに珪藻土を塗りたいということです。

 いずれの相談も木造住宅でしたので、リスクなどをまとめて述べます。

◇石膏ボード2重張り・柔軟性接着剤サンドイッチ工法について
*概ね、単純な石膏ボード2重張りより、11dB程度、遮音性能が向上するデータがあります。
*塗り手間と遮音マットを張る作業は同じくらいですので、コストが許せば、遮音マット気密工法のほうが15dB以上、遮音性能が向上するので、遮音マット気密工法が有利です。
*接着剤重ね工法では防湿効果がないので、遮音マット気密工法のような結露防止効果はありません。
*ホルムアルデヒドは含まれていませんが、その他の化学物質は含まれています。安全面での過信は禁物です。

◇珪藻土仕上げについて
*化学物質を吸着する性質があり、室温変化によって吸着した化学物質を防音室内に放出するケースがあると言われています。このため、不快な症状がでるケースがあるようです。(目が乾くような感じ、チカチカするなど)
*密封した室内では吸湿・吸着効果が、逆に化学物質が抜けていくことを妨げ、不快な環境になる場合があるようです。温度変化により吸着された化学物質が室内に再度揮発するというリスクです。

特段の音響・防音効果があるわけではないので、防音室での使用は避けたほうが無難かもしれません。

 木造住宅、木材など特性を生かしながら、適した工法を実施することが重要であると思います。

 防音室のような気密空間は、できる限りリスクを回避して、金物仕様の工法にしたほうが安全です。また、壁紙の接着剤を天然(自然)のりにすれば、さらに安心でしょう。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 10:44
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