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ピアノなど楽器防音室仕様の制振材

当ブログやホームサイト(防音職人)のコンテンツにおいて、木造の防音室には、床と壁の共振を抑える「制振材」が重要であることを述べています。

ところが、防音材メーカーは、大半の防音材を値上げする一方で、重低音など振動音を抑える「遮音・制振材」の生産を減らしたり、軽量音対策を主眼とする製品のマイナーチェンジを進めています。

*製品名が変わっていなくとも、性能や価格が変更されています。

*たぶん、原材料の高騰や諸経費の値上げなどを勘案して、対策がしやすい軽量音向きの製品にシフトしてきていると見られます。

制振材は重いだけでは、性能を発揮できません。柔軟性や適度な粘りなど素材の特性にポイントがあります。

*事実、フェルトやウレタンマットは軽量ですが、振動を絶縁する効果があります。

しかし、楽器の防音室では、グランドピアノやチェロなどの重低音を抑える、面密度の大きな制振材も併用する必要があります。


単一の防音材だけでは、対応できない周波数帯の音があるのです。そこで、防音職人では新しい制振材を設計仕様に加えました。比較的廉価で、諸経費の値上げ分を吸収できるような価格で取引を開始しました。

これで、2014年4月からの消費税率アップによる経費値上げ分をできる限り吸収できるように資材仕入れを工夫しています。

*同時に防音設計仕様も少し変更しました。

木造のピアノなど楽器防音室ほど、設計や防音資材の内容によって、遮音性能に差が生じる建物はないと思います。

*それは木造家屋は、構造的に、過重量な防音材を使いにくいという面があるだけでなく、木造と相性の悪い遮音材は費用対効果が低いからです。

*費用対効果もシビアに検討する中で、あまり分厚い構造の対策はできません。

新築、リフォームに限らず、木造家屋の対策は、制振・遮音材の性能が重要なカギを握っています。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 11:06
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手作りの防音施工と遮音パネル工法
ピアノなど楽器の防音室の施工で重要なのがボードや遮音材の隙間対策です。

遮音パネル・ボードの弱点は、つなぎ目の隙間やジョイント部分です。それは遮音材のつなぎ目とボードのつなぎ目の重なりが一致しているため、遮音欠損となり、主に高い周波数の音が漏れやすくなります。
*遮音パネルのみの単独施工の限界です。

防音職人では、遮音材、吸音材、制振材の隙間や、つなぎ目が重ならないように配慮して、現場の状況に応じて手作りで施工します。このため、ほとんどの現場で想定通りの遮音性能が確保できます。

特に、木造家屋は、もともとが隙間のある通気性のある構造ですから、内装部分は隙間対策が重要です。

また、遮音パネルはボードと遮音材が接着された製品ですから、細かい納まりの調整や、厚さが微妙に変化する凹凸部の施工には適さないのです。木造の防音室の場合は、柔軟に対応できる手作りの防音工事が望まれます。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 09:10
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ピアノ室の防音壁の仕様

 都内のある木造ピアノ防音室が今月中には完成します。
*具体的な防音効果は、依頼者の許可を得てから、ご紹介します。

 この現場は、依頼者が自ら契約した建築士より紹介されたもので、ある事情により、この建築士は名古屋方面に転勤となり、別会社が引き継ぎました。

 当初、ある大手メーカーが提案したD-45レベルの防音壁は18センチありました。私が提案したD-50レベルの防音壁は約80ミリ〜85ミリです。
 その結果、私の提案が採用され、防音設計と現場チェックを担当しました。
*施工は引き継いだ建築会社が担当しました。

 なぜ、このような仕様の差が出たのか、建築士も依頼者も不思議に思い、私に何回も国立で質問されました。主なポイントをまとめると、以下のようになります。
・吸音材の種類、密度が違うものを提案した。
・石膏ボードの重ね施工は採用せず、合板を活用した。
 ※石膏ボードと市販の遮音シート・パネルの弱点を説明した。
・主力の遮音材が薄くて、面密度が大きく、柔軟性と制振性に富んだ素材だった。
・壁と床の共振による遮音低下を回避するための制振材・仕様を提案した。

上記の仕様は、今までの木造防音室に適用してきた設計仕様をベースに提案したオリジナルです。
経験と素材の分析、木材の活用にこだわってきた結果です。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 08:16
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周波数帯別の音漏れと対策

 ピアノなど楽器の防音室の相談で言われる問題点に、高い音が漏れるとか、低い音がほとんど遮音できないという特徴があります。

 たとえば新築の木造住宅やリフォームですが、高い周波数の音漏れがひどい場合は、大半がボードなど遮音材の隙間対策の不備や、石膏ボードと遮音シートの重ね施工のみの対策になっています。
*隙間のコーキング・シールの不備は高い周波数の音漏れを招きます。
*石膏ボードのみの重ね施工は、低い音域、高い音域で遮音性能が伸びず、鉛などの遮音パネルも同様な傾向があります。

 硬質の剛性の高い素材を重ねても弱点の傾向が変わらないためです。このような場合は、重ねる素材の特性を変えるとともに、吸音率の高い吸音材を併用することが効果的です。
 また、下地の軸組みのピッチを狭くしたり、制振補強をしながら、空洞部に吸音材を充てんすると、低音域の遮音性能が伸びます。

 防音設計上の工夫で、防音効果が伸びるのです。
*遮音、制振、吸音の機能を組合わせることが設計のポイントです。

 さらに手間を惜しまない職人の施工が遮音性能アップにつながります。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:48
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木造のピアノ防音室は軽量な対策でも十分
木造家屋であっても、木材の特性を生かしながら工夫すれば、比較的軽量な防音構造でも、ピアノの夜間演奏は可能です。
ピアノ防音室(木造の事例)

 それは、下地の補強や木材・石膏ボードなど使いなれた材料と相性のよい防音材(遮音・吸音・制振)を組み合わせることがポイントです。

 先日、地方の木造住宅に併設された楽器の防音室(グランドピアノ、ヴァイオリン)の相談がありました。
 担当した建築士に夜間でもピアノやヴァイオリンが演奏できるように厳重な設計を要望したにも関わらず、遮音パネルと遮音シート、石膏ボードの重ね施工、グラスウールの併用のみで作られた結果、非常に気になる音漏れが生じているそうです。

 これは質量則のみで設計され、しかも吸音材は低密度なグラスウールだけしか使っていないものでした。
 おそらく、遮音パネル(鉛・遮音シートなど)と石膏ボードの遮音特性が類似し、かつ、つなぎ目から遮音欠損が大きく、高い周波数の音がかなり漏れ、しかも低音の振動音も共振しているような状況が発生しているようです。

 材料の相乗効果が不十分、つなぎ目の処理が甘い、吸音材の選択ミス、制振材を使っていないことなどが重なり、予想以上に防音効果が出なかったのだと思われます。
 また、壁と床の共振を抑える工夫がされていないことも要因としてあると思います。
*現在、できるかぎり薄い構造で、比較的ローコストな対策を検討中です。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 17:05
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防音室には向かない工法がある

 最近、石膏ボードを柔軟性接着剤で張り合わせて防音対策を行う工法について、相談を受けました。また、壁の仕上げに珪藻土を塗りたいということです。

 いずれの相談も木造住宅でしたので、リスクなどをまとめて述べます。

◇石膏ボード2重張り・柔軟性接着剤サンドイッチ工法について
*概ね、単純な石膏ボード2重張りより、11dB程度、遮音性能が向上するデータがあります。
*塗り手間と遮音マットを張る作業は同じくらいですので、コストが許せば、遮音マット気密工法のほうが15dB以上、遮音性能が向上するので、遮音マット気密工法が有利です。
*接着剤重ね工法では防湿効果がないので、遮音マット気密工法のような結露防止効果はありません。
*ホルムアルデヒドは含まれていませんが、その他の化学物質は含まれています。安全面での過信は禁物です。

◇珪藻土仕上げについて
*化学物質を吸着する性質があり、室温変化によって吸着した化学物質を防音室内に放出するケースがあると言われています。このため、不快な症状がでるケースがあるようです。(目が乾くような感じ、チカチカするなど)
*密封した室内では吸湿・吸着効果が、逆に化学物質が抜けていくことを妨げ、不快な環境になる場合があるようです。温度変化により吸着された化学物質が室内に再度揮発するというリスクです。

特段の音響・防音効果があるわけではないので、防音室での使用は避けたほうが無難かもしれません。

 木造住宅、木材など特性を生かしながら、適した工法を実施することが重要であると思います。

 防音室のような気密空間は、できる限りリスクを回避して、金物仕様の工法にしたほうが安全です。また、壁紙の接着剤を天然(自然)のりにすれば、さらに安心でしょう。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 10:44
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夜間演奏が安心して出来るピアノ防音室
 先日、ピアノ・音楽教室の依頼者より、完成後の防音室について、追加報告がありました。
夜間演奏・リトミックができるピアノ防音室

 この現場は、大阪府内にあるのですが、数年前に関西のある大手建築会社の建築士から紹介されたものでした。

 そのベテラン建築士のかたは、専門が大規模な音楽ホール・スタジオ防音などが主な業務であり、木造家屋の防音室はほとんど経験がないため、私のほうへ問い合わせてこられました。

 それに約16畳のピアノ室+2畳程度の物入れスペースという、木造のピアノ教室としては比較的面積が大きいため、予算的な問題もありました。

 そこで、戸外・近隣の住宅へは、ほとんど聴こえないレベルにまで防音し、ピアノ教室に併設されている住居部分には多少の音漏れは許容していただくという前提で設計しました。

 外壁などは手厚く対策して、ほかの部分は距離による減衰効果を想定して防音計画を立案しました。結果は、上記のリンク記事にありますように、成功しました。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 09:08
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住宅のピアノ防音室の工事

 現在、木造2世帯住宅(3階建て)の3階にピアノ教室を開くため、グランドピアノ、アップライトピアノの2台を配置し、周りに収納スペース・ベンチタイプの椅子が設置できるように防音工事、リフォームを進めています。
*場所は東京都内です。

 新築住宅なのですが、新築業者の施工が粗く、電気配線や吸音材、ボードなどの施工に隙間や施工不良が多く、防音工事以前に補修が必要でした。 

 また、施主様と相談して、床や構造壁の耐力補強を構造合板で行うことにしました。  写真は、防音材を張る前に、構造用合板で補強しているシーンです。これによって、床などの制振性を高め、ピアノ防音室の防音効果を高めることができます。

 防音職人では、新築業者の施工不良の補修を、防音対策と同時に行うリフォームも積極的に行っています。
author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:37
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木造ピアノ防音室の引き戸などの効果

 昨年完成した、長野県内のピアノ防音室(新築木造、オーディオなど多目的ルーム)について、音測定を、提携先の建築士に現場に出張していただき、実施しました。

 知人のピアノなど楽器奏者、私の故郷のピアニストなどが推奨の杉板を、出来る限り使っていただきました。
*プロのピアニストは圧倒的に杉板のフローリング、腰壁などを好むようです。

 上記、防音室ですが、色々な制約がありながらも、まずまずの防音効果が得られました。
*施主のかたに非常に喜んでいただけました。
*私の設計した手作り引き戸も、地元の建具屋、施工担当の大工職人の腕が良く、想定以上の効果が出ました。
 提携先の建築士に、現場で測定してもらったら、D-25〜D-30の遮音性能があり、彼いわく「奇跡的な効果です。」とのことでした。
 施主さまも、費用対効果が抜群ですね、とコメントをいただきました。

 恵まれた環境での案件でしたが、今後もこのような現場を担当できたらと、願っています。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 11:00
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木造のピアノ防音室に要求される遮音性能

 マンションのピアノ防音室では、集合住宅の事情のため、遮音性能は最低でもD-55以上が要求されます。

 木造住宅の場合は、D-45〜D-50で、通常は問題ありません。それは、戸外の暗騒音が約25dB以上あるので、仮に100dBのピアノ音でも、戸外に漏れるのは最大で55dBです。
*そのうち25dBがマスキングされ、残りは30dB程度です。

 この30dBの音は、隣家が窓を占めていれば、25dBさらに遮断できますので、残りは約5dBです。
 隣家の室内に到達する音は壁際で約5dBですので、室内の暗騒音にマスキングされ、ほとんど室内の居住者の耳には聴こえません。

 ですから、仮にピアノ教室を造る場合でも、近隣の家屋との距離を考慮すれば、D-45レベルの遮音性能で可能になります。

 窓の通常の二重サッシュの性能はD-40〜43ですが、カーテンをダブルで付けたり、ピアノの配置を工夫すれば多少の遮音性能不足はクリアできると思います。

 また、低周波音対策は床の補強が大きく影響しますので、床の下地補強や防音材の活用が重要です。ピアノは30〜100Hzという低周波音を発する楽器ですので、幅広い周波数の防音対策が必要です。

 防音職人では外壁に70〜75ミリ程度の内装防音壁を構築することで、D-50〜D-55レベルの遮音性能を、木造住宅で実現しています。
*この薄さを他の専門業者と比べてみてください。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 08:26
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