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グランドピアノの音を遮音する内窓

先日の防音室の担当現場に関連して、内窓のご質問をいただきました。

 

プロのピアニストがグランドピアノを普通に演奏すると、概ねMAX95dB〜100dBになります。演奏中にご家族の音楽家と私が一緒に聴いたところ、窓直近でかすかにピアノの音が聴こえる程度でした。

 

ということは窓の遮音性能はD-55〜60ということになります。新築業者が施工した外窓は、木製3層構造の複層ガラスです。

この製品は新築時に私が改造を要望しまして、3枚のガラスのうち、内側1枚の厚さを変更してもらい、共振を軽減しました。

*外窓の当初の性能は32dB遮音できる製品でした。おそらく改造した製品はD-35はあったと思います。

 

内窓で20〜25dBほど遮音性能を向上させることができたのです。しかも内窓は気密性の高い樹脂サッシュでガラス厚は5ミリの単板です。新築なので取付ける額縁を通常よりも6センチほど奥行きを深くしてもらいました。

要するに空気層を大きくして、主に高音域の遮音性を向上させたのです。

*費用も余りかからず、費用対効果は抜群でした。

 

高額な防音ガラスなど使用しなくても、大幅に遮音性能を高めることができることを証明した事例です。

 

ちなみに、単板ガラスの弱点は高音域です。複層ガラスの弱点は低音域で高音域が遮音性が高いという特性を持っています。

*複層ガラスが低音域の遮音性が延びないのは空気層の共振によるもので、単板ガラスが高音域で遮音性が低下するのはコインシデンスのためです。

*防音ガラスも低音域の遮音性は伸びません。主に高音域で防音効果を発揮する製品です。防音ガラスに過度に期待するのはリスクがあります。

 

内窓を付けるポイントは、取付ける間隔を大きくして空気層を厚くすること、気密性の高い樹脂製サッシュを使用すること、ペアガラスなど複層ガラスの弱点を補完する製品を選ぶことです。

*フカシ枠や額縁の活用が効果的です。

 

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 09:13
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木造ピアノ室の薄い防音構造

前回の記事に記載されている現場の依頼者にも質問されたのですが、木造住宅のピアノ室の防音構造を薄く構築できる技術は、どうやって学んだのですか、ということです。

もちろん、最初から出来るわけではなく、自分の自宅や知人宅での実験的な防音対策、担当した防音室における音響・遮音性能測定調査などを経験して確立したものです。

 

大半の建築業者が石膏ボード(PB)、遮音シート、鉛シートなど遮音パネル、グラスウール、既製品の音響化粧板だけで構築する防音壁や天井・床は、非常に分厚く、過重量になることも問題です。

マス(厚さ・重量)だけで対策をしていると言ってもいいと思います。無駄に分厚い構造はピアノ室の空間を狭くします。

 

私はこのような音響・防音設計は木造建物には向かないものであることを10年以上前からウェブサイト・ブログで述べています。

基本的に他の業者が採用している設計手法は非常に古いマニュアルに従って作られたものであると思います。

 

一番の問題は木材を活用しないで、石膏ボードと遮音パネル、防振ゴムを多用することです。

*防振ゴムは経年変化でクリープが起きたり、堅い製品だと固体伝播音が減衰しない。

 

木材には合板、シージング板、無垢材など多様な製品があり、すべて遮音特性も音響も異なります。木材を活用するには経験が必要です。なかなか奥深い世界であり、木造防音室には有益な素材です。

 

また、防音材にはコインシデンスが起きる弱点を抱えた製品があり、周波数特性や振動特性を考慮しないと、音漏れの目立つピアノ室ができてしまいます。既製品の施工要領も重要です。

 

以上の内容などを熟知しないと「薄い防音構造」は構築できません。木造防音室の技術者を育てるのは時間がかかるのです。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:23
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24時間演奏できるピアノ教室(防音室)

今月、新築住宅(木造)に併設したピアノ教室の防音室が完成し、21日に、依頼者であるプロのピアニストがご自身の耳で24時間演奏出来る事を確認したそうです。

*さきほど連絡がありました。

*グランドピアノを設置した業者も一緒に現場で防音効果を確認して、かなり驚いていたらしいです。

 

物凄く喜んでおられ、「防音職人さんの防音設計・施工はすごい、すごい」と言われ、こんな木造防音室は初めてですと称賛され、担当した私も凄く嬉しかったです。

同時に、自分の役割を無事果たすことができて、安心しました。

 

今月終わりころに音響チェックに伺うのですが、楽な気持ちで行けます。

 

防音効果は、窓からは、かすかに聴こえるが、建物から少し離れると人の耳には聴こえない。壁からは夜中でも聴こえないということです。ほぼ完ぺきと私も思います。

 

手前味噌ですが、新築業者の当初設計標準に、厚さ約90ミリの音響・防音壁などを新規に構築しただけなのですが、想定以上の遮音性能が得られたと思います。

防音工事費用も、他の専門業者よりもコスト低減を図り、総額では私の提案が最も廉価だったそうです。

 

室内が約16帖と広いので、他の専門業者は防音壁を20センチ程度で提案していたうえ、予算超過になっていたのです。

防音職人が一番最後に相談され、今年の春頃から相談・打合せ、提案、実施設計、防音工事へと約9か月間お付き合いしました。

 

このように、木造住宅であっても条件が揃えば、夜間演奏可能な防音室ができることを証明できました。

所在地は秘密ですが、東京都内の住宅地です。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 14:20
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木造のピアノ防音室の難しい所

プロのピアニストは木造の防音室を好みますが、部屋が狭いほど音響・防音構造は難しくなります。

とくに壁・床から発生する固体伝播音対策の難易度が高くなります。

 

固体伝播音によって床と壁が共振し、遮音性能が低下するだけでなく、音響的にノイズが発生しやすくなるので、床材をフローリングにする際は要注意です。

 

床は柔らかい浮き床工法だと床鳴りが、遮音ゴム又はグラスウールの乾式置床構造にするとクリープが発生するなど問題が起きます。

一番無難なのは制振材を面的に敷き、木製ボードと重ねて施工することです。

 

そして、出来る限り壁と床を絶縁し、共振を抑えます。

これらの工法は経験のない業者には無理ですので、契約する前に必ず詳細な提案書を提示してもらい確認することが必要です。

 

コンクリート構造の防音室の工法を、そのまま木造建物に適用するのは危険です。

床下の通気を遮断する工法は木造の寿命を縮めるので、やってはいけない工法です。

 

木造建物には、木造に適した防音施工が望ましいので、専門業者の実績を考慮の上、提案書に納得してから契約することが重要です。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 12:29
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壁や床を薄くした防音構造

防音室の相談で、よく質問されるのが「木造住宅に楽器防音室・シアター室を造る際に、壁を薄くできますか」という内容です。

それは、どの程度の遮音レベルを求め、演奏時間帯をどのように考えるかによって異なります。

 

しかし、普通の在来工法の木造建物であれば、D-50〜D-55の防音性能を、約40ミリの防音壁を新規に構築することで実現できます。ただし、外断熱工法や発泡断熱工法の場合は難しいです。

 

新築であれば、ほぼ確実にできますが、リフォームの場合は、既存構造に大きく左右されますので、設計・施工業者に詳細を確認する必要があります。

 

いずれにせよ、他の専門業者が施工しているような厚さ18センチ〜20センチの防音壁は不要です。

*天井も床も分厚い構造は必要としません。

 

依頼者によく言われるのが、6帖から8帖という小さな部屋に分厚い防音構造は無理であり、出来る限り既存構造に負担をかけないで、薄い対策でやりたいということです。

とくに木造に、重くて分厚い構造は、耐久性を考慮すると無理です。建物の寿命を短くしてしまいます。

 

防音職人では、西国立(東京)において、防音相談を行っています。

*お気軽に御問い合わせ下さい:防音コンサルティング

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 10:37
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