RSS | ATOM | SEARCH
木造防音室の音漏れ
 木造家屋の防音室において、音漏れのない構造を造ることは現実的に無理です。できるとすれば、防音室の周りを十分な奥行きのある別の部屋で囲み、ドアや換気口などをふさぐことですが、これは通気のない空間となり湿気がたまりやすくなります。
これでは建物が劣化しやすくなり、お勧めできません。
 木造の防音室の本来の目的は楽器のナチュラルな音色を楽しむものであり、録音スタジオを作ることではありません。もし、木造で音漏れのない防音工事を謳う業者が居ましたら、それは殆ど詐欺と同じです。
*NHKの防音スタジオでも音漏れはします。スタジオの周りには音の緩衝空間として戸外に直接面しない部屋を配置しています。しかも木造ではありません。

 木造に過度な遮音材などを施工すると軸組や土台が劣化することになり、建物の寿命も短くなります。それに反響がきつい部屋になりやすく、とてもピアノやヴァイオリンなどの楽器を快適に演奏するには不向きです。木造は適度に音漏れする構造にしたほうが自然な優しい音環境になります。
 夜中や早朝に演奏することが目的なら、その時間帯はスタジオを借りて行うのが常識だと思います。もちろん敷地の広い恵まれた環境で木造防音室を計画するのであれば、夜中の演奏も可能な防音工事を行うことは可能ですが、都市部の住宅地ではほぼ無理でしょう。実際の演奏会は昼間に行われるので、深夜練習は通常はスタジオでやりますが、それは緊急的でしょう。
 防音職人では確かに数例ほど、夜中でも演奏できる木造防音室を作っていますが、それなりに費用がかかり、一般的には相当難しいと考えていただいたほうが良いです。しかも、その依頼者はプロや事業者でした。

 木造家屋の特長は、あくまで適度に音を吸収し反響調整しやすい構造であるということを生かして、防音対策を行うべきです。音漏れを小さくして快適な環境を作るというコンセプトが重要です。
 同時に建物の構造的な補強を行い、耐久性を高めることが生活空間としても、非常に重要です。演奏者が疲れないような防音室が理想です。
author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 07:58
-, -, pookmark