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木造ピアノ室の薄い防音構造

前回の記事に記載されている現場の依頼者にも質問されたのですが、木造住宅のピアノ室の防音構造を薄く構築できる技術は、どうやって学んだのですか、ということです。

もちろん、最初から出来るわけではなく、自分の自宅や知人宅での実験的な防音対策、担当した防音室における音響・遮音性能測定調査などを経験して確立したものです。

 

大半の建築業者が石膏ボード(PB)、遮音シート、鉛シートなど遮音パネル、グラスウール、既製品の音響化粧板だけで構築する防音壁や天井・床は、非常に分厚く、過重量になることも問題です。

マス(厚さ・重量)だけで対策をしていると言ってもいいと思います。無駄に分厚い構造はピアノ室の空間を狭くします。

 

私はこのような音響・防音設計は木造建物には向かないものであることを10年以上前からウェブサイト・ブログで述べています。

基本的に他の業者が採用している設計手法は非常に古いマニュアルに従って作られたものであると思います。

 

一番の問題は木材を活用しないで、石膏ボードと遮音パネル、防振ゴムを多用することです。

*防振ゴムは経年変化でクリープが起きたり、堅い製品だと固体伝播音が減衰しない。

 

木材には合板、シージング板、無垢材など多様な製品があり、すべて遮音特性も音響も異なります。木材を活用するには経験が必要です。なかなか奥深い世界であり、木造防音室には有益な素材です。

 

また、防音材にはコインシデンスが起きる弱点を抱えた製品があり、周波数特性や振動特性を考慮しないと、音漏れの目立つピアノ室ができてしまいます。既製品の施工要領も重要です。

 

以上の内容などを熟知しないと「薄い防音構造」は構築できません。木造防音室の技術者を育てるのは時間がかかるのです。

author:防音職人ウェブマスター, category:ピアノ防音, 16:23
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