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木造防音の基本的な考え方

ネット上の木造住宅や木造音楽室の防音対策に関する情報ページを見ると、大半が防音設計の基本を理解していない人、または素人が書いている記事であることが分かります。

 

木造建物は、同じ厚さで防音構造を造ると、鉄骨造やコンクリート造、プレハブのALC造に比べて遮音性能が劣ることはありません。

木造の遮音性能が低いと軽々に断じている人は、木造の防音設計を知らない人です。

 

木造住宅の生活防音や木造音楽室の音響・防音対策は、建物の構造的な特長や木材の特性を理解していないと設計仕様を決めることは出来ません。

この点を誤解している建築士や建築業者が多すぎます。

 

また、素人が他人の情報ページを鵜呑みにして流用し、想像だけで記事を書いています。遮音材、制振材、吸音材の使い方や製品選定だけでなく、木材・木製品、石膏ボードなど一般的な建材の特性を知らないで使っています。

 

建築材料や製品の特長や留意点を知らなければ、防音設計は出来ません。

 

従来の木造軸組在来工法は、天井や壁・床下など内部空間に吸音材を充填したり、空間の厚み・距離的な音の減衰効果を活用して防音対策を行うことが基本です。軸組や下地合板等の剛性補強を加えて相乗効果を生み出す構造です。

これに木材と相性の良い専門的な防音材を併用することで、質量則を超える防音性能を生み出すことができます。

 

ネット上の情報は、玉石混淆の状況ですので、迷ったら信頼できる専門家にセカンドオピニオンとして相談されることをお勧めします。

*参考:木造在来工法のピアノ室の防音 | 木造住宅の防音設計

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 16:26
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木造防音室と床下換気

大半の専門業者は、木造防音室の床下換気を潰してしまう工法を採用しています。

*新築でもリフォームでも共通した仕様です。

 

これは天井の防音構造を分厚くする分、床を下げることと、床下からの音漏れを遮断することを優先するためです。

 

この工法の弊害は、床下換気がなくなることにより、木部の通気が遮断され湿気などによって壁内や床などの内装材が劣化しやすくなることです。

*しかも床に増設するコンクリートが約数年間水分を放出するので、床下換気機能がないと湿気が溜まりやすくなります。

 

また、床の反射音が強くなり、木材特有の適度な音響効果が損なわれます。特にピアノ室にはマイナスです。

 

日本の伝統的な木造は、壁内の通気と床下換気によって、建物の寿命を伸ばし、湿気が溜まるのを防いでいました。

この構造を生かしたまま、防音構造を構築することは可能ですが、実績の乏しい建築業者には少々難しい防音設計になります。

 

このため、木造建物に不慣れな防音業者は、木造の特長を殺してしまうような工法を行うのです。

 

特に、東京方面の専門業者は、このような防音工事を提案することが多く、契約後に揉めるケースも有るようです。

むしろ、地方の建築業者のほうが伝統的な木造に適した工法を重視するので、防音職人の提案を問題なく受け入れてくれます。

 

防音職人は、施主およびご家族の大事な住まい・木造音楽室の寿命を伸ばし、良好な音響・防音効果を重視する設計・施工を提案して、実施しています。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 16:53
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新築木造住宅のピアノ防音室が動き出しました

ようやく、埼玉県内の新築木造住宅(木造軸組在来工法)内部に一体的に建築するピアノ音楽室(防音室)の着工予定が決まりました。すでに新築住宅本体は工事中です。

*屋根・外壁および床などの下地及び躯体軸組が概成した段階で内部の防音工事を行う計画です。

*施工業者は新築業者とは別に施主が契約する地元の建築会社が担当します。

 

私の担当は計画書および防音施工図の作成、専門的な防音材の現場納品です。先行して計画書・防音仕様書は提示して納品済みです。現在、防音施工説明図を作成中です。

 

空間構成の特徴は、大きな吹き抜けが1階から2階にかけて6割以上を占めており、ピアノ防音室が一部の戸外側の外壁および居室に隣接する内壁に囲まれていることです。

最優先事項は近所への音漏れ軽減とピアノ演奏時における床と壁面の共振を抑えることです。

 

室内の表面積および床面積がかなり大きいため、施工費軽減と空間有効利用の観点から、薄型の防音構造と音響調整を主眼とする仕様になっています。防音材の使用量を抑えています。

 

石膏ボードの使用は限定的で、防音材以外では大半が木材・木製品表層材を使用します。

*木材:軸組、合板、無垢材(羽目板、無垢材フローリングなど)

*壁面は木製品・クロス仕上げ

 

防音工事は夏ころに開始して、建物全体は今年の11月完成を目標にしています。完成後にグランドピアノを設置します。

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 11:54
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防音材メーカーと防音設計専門家は異なる

相談業務において、最も多い勘違いが、「防音材メーカーと防音設計の専門家を混同する」ことです。

 

防音材メーカーは、あくまで製品を生産することが本業であり、メーカーの遮音性能の試験値は単体のデータのみです。

要するに現場での相乗効果や弱点などを検証していないだけでなく、施工要領も間違っているものがあります。

 

このため、メーカーの性能見込みは現場の防音効果と乖離します。彼らは「防音設計」の専門家ではないのです。

 

このような勘違いが多いのが、木造防音室での音響や遮音性能の問題です。メーカーの技術者は木造建物自体の知識があまり無い人が多く、営業マンはさらに実務経験がないので、あくまでメーカーのカタログの説明をするだけです。

 

遮音欠損の防止、コインシデンスの補正、共振透過の軽減、壁と床の共振回避など、具体的な工法詳細や設計手法を知らないで宣伝しています。

 

ちなみに、防音職人の防音材は防音建材メーカーの製品よりも歴史が古く、実績も豊富です。それは土木工学、機械設備、車産業などの分野で開発された材料がベースになっています。

*すべて受注生産品です。市販品ではありません。

実際の防音室など担当現場で検証している製品です。もちろん、適正な防音設計と施工要領があって初めて成立するものです。

単純に既製品を張り付けるだけで出来るものではないのです。

 

次のページを読んでいただければご理解いただけると思います。

防音設計のスキーム

防音設計の常識

author:防音職人ウェブマスター, category:楽器防音室, 11:32
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木造住宅の防音設計

今まで行ってきた防音相談や契約現場の経験を踏まえると、一般のユーザーに限らず、建築士を含めた住宅設計者に分かりにくい主な内容は次の通りだと思います。

 

・断熱材の周波数帯における吸音特性

・遮音材(石膏ボードを含む)のコインシデンス

・窓の遮音対策

 

防音換気扇については、既製品がありますので、比較的利用しやすいのですが、一般的な建築材料や防音材の特性・施工要領は知識経験がないと理解できないものです。

また、窓についても多様な製品があり、留意点もメーカーに詳しく確認しないで軽視する建築士が多いようです。

 

断熱材もグラスウール・ロックウールと発泡材を混同する建築士や新築業者が多く、これによって防音効果に大差が出ます。

*発泡材は基本的に吸音性が乏しく、逆効果になる製品もあります。

 

遮音材の中で最も廉価な製品は、石膏ボードです。この製品の使い方が間違っている事例が最も多く、単純に重ねて施工すれば防音効果が高まると考えている建築士・建築業者が多いです。これは製品のもつコインシデンス等の弱点を知らないために起こるミスです。→参考記事:木造ピアノ室の鉄則

 

防音材についても、周波数帯ごとに弱点を持っている遮音パネルもあります。工法の問題による弱点もあり、防音設計の基本が分からない建築士には「木造住宅の生活防音」は思ったよりもハードルが高いようです。

 

防音職人では、セカンドオピニオンとして「有料の防音対策コンサルティング」業務も行っています。最近、テレワークによる相談業務が増えています。
 

author:防音職人ウェブマスター, category:住宅防音, 17:00
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